
制作=2009年・カナダ 87分
怨念がクルマにおんねん、とお寒いギャグを飛ばしたくなるお寒いB級かと思いきや、
意外にしっかり作られた映画でした。もちろんBはBだが、上質なB級か。
レースで死亡した友人の亡霊に17年も経ってから襲われるといった、妙な設定・
ストーリー。
元はといえば逆恨みというか逆ギレではないか、という原因で怨念に追い掛け回される
ところが、よく考えてみれば既に物語として破綻してるんですが、それだけではなく、
後半急に明かされる娘の出生の秘密により、おかーさんの貞操観念も同様に破綻して
いたことが詳らかになります。B級ですから・・。あ、その娘ってのもB級です・・。
で、この怨念カーが結構活躍しまして、人をハネるのはもちろんのこと、その他実に
器用な方法で無関係な人間を次々に屠ってしまいます。冒頭のチンピラ2名の時など、
下手なスプラッター映画クラスのエグさですね。全く現実感はありませんが。
カーアクションについては、ややショボめでしょうか。予算の関係なんでしょうけど、
舞台がそもそも田舎なんで、クルマが街中に突っ込んできても、あんまり迫力は
ありません。
さて、こうした作品で肝心要の突込みどころですが、もちろん豊富に用意されいます。
既述の怨念原因をはじめとして、怨念カーはなぜガス欠にならないのか、ワイパーで
人体を刻めるのか、ガソリンスタンドで燃えてもタイヤが燃えないのはなぜか、
B級娘はなぜいつまでも顔についた血糊をふき取らないのか、そもそも何でレーシング
カーにラジオが付いているのか等々・・、枚挙に暇がありません。
ラストも何か含みがあるようなないような微妙な感じでしたねえ。
まあ、あそこまでつぶされた怨念カーが復活して続編などが出てきたら、どれどれ
ちょっと観ましょか、という気にはなりますがね。ロードショウ作品にはなり得ない
レベルの映画でしょうけど、この方面お好きな方なら十分楽しめるかと思います。