
制作=2008年・米国 117分
何の変哲もないコピー屋の店員ジェリー(シャイア・ラブーフ)が双子の兄の葬式
から戻ってみたら、己の口座に大金が振り込まれとるわ、自宅には軍用物資が
山ほど届いて呆然としてると・・・
さらに「FBIが突入するからすぐ逃げろ」と謎の電話があってホンマに突入して
くるわ、逃げたら逃げたで次々と訳の分からん指令が出されるわ、見ず知らずの
シングルマザーのレイチェル(ミシェル・モナハン)とコンビを組んで行動せよとの
指示が・・・と、謎また謎の先の読めないサスペンスフルな展開がテンポよく進行。
何で自分がこんな目に?という疑問は途中で明らかになる訳ですが、そこまでの謎めき
感とその落としどころ・タイミングが見事です。これ以上引っ張られたら多分ダレるし。
サブ・ストーリーの子供の楽団演奏側の話も、見せ方・絡め方が上手いと感じましたわ。
で、主人公2名を操る黒幕の手口ってのがまたハイテクでカッコいい。ネットや携帯の
回線をハッキングするのはもとより、警備カメラやFAX回線からデータを拾える技術って
いうのがスゴイです。電気的な回線がダメなら読唇術で、それもダメなら何とテーブルに
置かれたコーヒーの振動で会話の内容を読み取る・・・って、さすがに現実にはこんな
ことは出来んでしょうけど、アイデアは感心しました。
技術的なこともスゴイと思うが、アレがダメならコレ、コレもダメならさらに・・・と
食らいつく根性・粘り強さが何よりスゴイですな。
あと、振り回され気味な捜査官のビリー・ボブ・ソーントン選手、この人ってこういう
普通の役もちゃんとこなすんですな。なかなか印象深く存在感あったと思います。
市中クルマ大爆走、ビルぶっ壊し等々アクションシーンも派手で迫力ありました。
まあ、ラスト辺りはちょっとベタな感なきにしもあらずという点と、主役のラブーフ君
にやや合ってなさ感があった気がしましたけれども、映画としての出来は大層よろしく、
最初から最後までハラハラしながら観れると思います。