収録楽曲並びに各曲のボーカル、(リード)ギターは以下の通り。

まあ、豪華なこと。グレン・ヒューズのボーカルでの参加というのがチト笑けて
しまいますが。
ボーカルとギター以外は固定メンツ。個人的には、ドラムにディーン・カストロノヴォ
が入ってたというのがこのCDを買った理由です。ダイナミックかつ華麗なプレイを
聴かせる名手、カッコいいんですわ。特にタムとツーバスのコンビネーション技とか。
<固定メンバー>
ラス・パリッシュ(G)
トッド・ジェンセン(B)
ヤンス・ヨハンソン(Key)
ディーン・カストロノヴォ(D)
曲的には割と手堅い感じの有名どころが中心ですが、4曲目の "Rat Bat Blue"
や6曲目の "Maybe I'm a Leo" なんていう、ちょいとマイナーな曲も入ってます。
スティーヴ・モーズ加入後の本家パープルのセットリストのようですな。半面、
意外にも思えるが、"Highway Star" や "Burn" なんかは入ってない。
で、ゲストギタリストの皆さん、まあホンマ派手にやってくれてますわ。もちろん、
その筆頭はイングウェイさんです。特に初っ端の "Speed King" なんてインギー
節炸裂というか縦横無尽に暴れておられます。ま、こうやって暴れてもらうために
招いたんでしょけどね。あ、インギーさん、5曲目の "Lazy" でも弾いてまして、
この方のみ2曲参加ですわ。さすが帝王、皇帝であります。

<左:帝王 右:若かりし頃。ホンマに同一人物か?>
あと、トニー・マカパインっちゅーのが意外な感がありましたかね。私なんぞは
スティーヴ・ヴァイと組むようになってからの印象が強いが、元々この人もHR/
HM寄りといえばそうでしたか。本作では2曲目の "Space Truckin'"に参加。
イングェイに触発されたんでしょか、お下劣といっては失礼だが結構ビロビロ~
としたエグ目のサウンドであります。

<左:現在 右:若かりし頃。同一人物なんでしょう…>
その他印象に残ったのは、4曲目 "Rat Bat Blue" のリッチー・コーツェンや、
6曲目 "Maybe I'm a Leo" のポール・ギルバート辺りでしょか。両者ともギター
のみならずボーカルもとってまして、これがまたなかなかヨイ。ヨイというか声
が曲調に合ってる。そういう曲をセレクトしたんだろうが。
ギターについてはこれまた両者とも職人的に上手い。聴いてて納得感があり
ますな。特にギルバートのソロはシンプルながらも、後半などはユニークかつ
メロディアスでよかったす。
反面、原曲にほぼ忠実だったのが、7曲目 "Smoke on the Water" のギター。
固定バックバンドでもギター弾いてるラス・パリッシュさんですか。ソロもスタジオ
盤(マシン・ヘッド)のコピーですやん、というぐらい元のまま。が、これはこれで
確かにトリビュートですわな。
ボーカルに関しては、3曲目 "Stormbringer" のグレン・ヒューズが特徴的でして、
リキんでおられるのか、どうもリズムにノレてないようでして、えらい突っ込み気味
に聴こえました。まあ、参加すること自体含めてご愛嬌というところか。どうせなら、
"Lady Double Dealer" をやってもらいたかったね。

Deep Purple3期のカリジャムですかな、これは。若いなあ
ジョー・リン・ターナーも5曲目 "Lazy" で歌ってるんですが、う~ん…完全にインギー
"悪魔的"・ギターに力負け。な~んか無個性のまま終わってしまった感がありまして
残念至極…って、一緒に仲良く(?)バンドやってた時期もあったはずですけどね。
まあとにかく、ここはオジー・オズボーンぐらい持ってこんと対抗できませんな。

<左:ジョーリン 右:
魔王>
8曲目 "Fireball" ではドン・ドッケン選手が登場するんですけど、彼ってこんなに
ストレートな声だったっけか。クリアボイスとまでは言わんけど、それに近い透明感
のある歌声で意外でした。私の記憶違いでしょうか…。
さて、Deep Purpleといえばドラマーはイアン・ペイスでして、この人の前ノリの
ドラムが彼らの多くの曲でスピード感やスリルを醸し出しておったわけですが、
本作ではドラムはカストロノヴォということで、この辺はかなり事情が異なります。
カストロドラムが特別重いわけではないのだが、原曲と比較するとやっぱし軽快
感よりヘヴィさが目立ちますな。私も最初聴いたときは違和感ありましたし。
が、カストロノヴォはカストロノヴォで、ペイスとはまた違ったカッコ良さがあって
イイんですよね~。表現に困るのですが、立体感のあるプレイというイメージです。
トータル的にも安定してて素晴らしいが、フィルの組み立て等もセンスありますよー。
"Speed King" の1番から2番につなぐとこのコンビネーションや、9曲目 "HUSH" の
ミニブレイクの埋め方なんて、ゾクっとするほどカッコいい。真似出来ませんけどね…。

<左:ペイス 右:カストロ>
と、元々パープル楽曲をご存じない方にとっては、何のことやら的な話になってしまい
ました。が、これらの曲がお好きな同好諸氏の皆さまにはなかなか面白いアルバムか
と思いますわ。全体的なサウンドとして、ちょっと高音低音のバランスが良くなかったり
するけど、まあメンツもメンツですし、演奏も上手いし。あー、あと概ね原曲とキーが
同じなので、CDに合わせてギターなどかき鳴らして遊べたりします。って、わたしゃ
リフ弾く程度ですが…。