作品解説は、「『MI:2』『ブレイド』などの大作を手掛けるゲイリー・J・タニクリフを監督
・脚本に迎えて贈るモンスターパニックアクション。堀削不可能で、完璧な安全性と
言われる世界最大の石油削施”コロッソス”。だが、たびたび起こる微震の調査を
始めたところ…」となってます。
~調査を始めたところ…、海底と思ってたところの下にさらに深海が広がってて、
古代に滅んだはずのメガロドンが生き残ってたということです。が、そこに至るまで
が異様に長い。冒頭から30分ぐらい、海洋採掘施設の描写が、環境問題に話を
絡めて妙にマジメに続きます。いやホンマ、わたくし間違ってその手の教養系DVD
を借りてしまったのかと思いましたよ。
左:深海1500mまで行けるリフト、右:潜水艇(一人乗り)。と、こういうヤツの説明
が延々と続く。ギアとしてはカッチョいいけどね。
さて、石油リグについてたっぷり学んだところで、ようやく事件らしき事態が発生。
汲み上げパイプに何かが詰まったようで、中を調べてみるとお魚さんが。
なーんや、魚やんって皆で笑ってたら…
コイツがいきなり腕に噛み付く。どんだけ生命力強いのだ…。しかも、噛まれた奴、
どんな抗生物質も効果がない菌にやられてしまうという…。
おー、ここから盛り返すべく怒涛の展開を見せるのか?と思ったら、またしばらく
深海の様子などの絵が続いたりする。
クラゲの一種のようです。
そこからしばらくして、ようやく本作の主役メガロドンさんご登場。
体長20~30m、ジンベイザメクラスの大きさだということです。で、コイツが体当たり
してきて壊されたリフトが何とか海面へ浮上するが、それを追いかけてきて分厚い
氷をブチ破ったり。あ、現場はグリーンランド近海という設定です。
潜水艇をくわえてブチ壊したり、といきなり大暴れ。
メガドロン、ここまでCGっぽかったのに、急にプラモデルみたいになるんよね…。
幾人かのメンバーがここでやられてしまいます。残りはヘリで救出されるものの、
悪天候のため操縦不能に陥りヘリポートの端っこに不時着。このヘリの映像が
急にゲームの絵みたいになるんですなあ。それも結構昔のポリゴンがゴツゴツ
したヤツ。
フライトシュミレーションのような感じです。
サメをどうやってやっつけるか色々吟味した結果、潜水艇で爆弾搭載の銛を打ち
込んでリモコンで爆破させよう、となる。
で、実行されるんですが、本来クライマックスであるこの辺りのシーンって、手に汗
握るレベルの高揚感・緊迫感があって然るべきなのに、どーも温いんですなあ、
本作にあっては。潜水艇がメガロドンに追いつかれそうになったりする、カーアクション
ならぬサブマリンアクション的なとこもちゃんとあるんですよ。あるんですけど、何か
こう、今ひとつスリリングさに欠けるというか、のほほんとしてるというか…。
結局、爆破は首尾よくいくんですが、その後急に生き残りメンバーの回顧シーン
みたいになって、ラストの絵がこれ。
何なんですかねえ、これは。メガちゃん、爆発で生き残った? それとも別のサメ?
え、これで終わり?と、困惑するこちらにお構いなしにエンドロールが流れ始めるん
ですな…。
いや、もう実に消化難というか、中途半端感に満ち溢れた作品でございましたよ。
そういや、この手の映画につきもののビキニねーちゃん群も出てこんかったしな。
これが盛り上がりに欠けた主要因…ってことはなく、根本的に見せ方がナニなん
ではないすかね。既に述べた通り主題のサメに入るまでが長いし、サメが暴れる
とこも単発で終わって、次に暴れるまでに妙に間があいたりして、ノリがよろしく
ないですわ。テンポ感がないといいいますか。あと、一種TVドラマ的なスケール感
のなさも、要因のひとつになってた気がしますな。う~ん、それともやはりこの
サメの絵が可愛過ぎたのか?