作品解説は「棺桶のように小さな箱を舞台に繰り広げられる脱出劇を
描いたサスペンススリラー。イラクで民間ドライバーとして働いていた
ポールは、何者かに襲われ真っ暗な木箱の中で目を覚ます。状況が
理解できない彼は、何とかして助けを呼ぼうとするが…」です。
こないだ、ジェームズ・フランコの『
127時間』をネタにしまして、独り芝居
で力演と申し上げましたが、本作ではさらに大力演であります。127の
方は独り芝居が大部分ではあったものの、前半や回想シーンなどで他
のキャストの出演もありましたけれども、こちらのリミットでは他者の
出演は全くなし、ライアン・レイノルズの完全お一人さまであります。
かつ、ロケーションも箱の中だけということで、殆ど動きもない次第で
これで映画丸1本引っ張るというのは、大したモンじゃと感心しましたわ。

絵的には最初から最後までこういう感じ。途中、ヘビが登場したりする
けど大勢に影響なし。てか、あんまりヘビの必要性を感じなかったが。
設定としては、テロリスト(?)に営利誘拐されて地中に埋められたと
いうもの。箱の中には携帯電話も入ってまして、外部と連絡を取ったり
するんですが、なかなか話が通じなかったりタライ回しにされたりする。

ま、電話受けた方も、イラクで棺桶に入れられて埋められた、とかって
いきなり言われてもハイそうですか、とはならんわな。ちなみに、携帯
は犯人が連絡するために置いといたものです。
何とか国務省の誘拐事件専門捜査官とつながって、救助が進展していく
様子が窺えるが、大使館に高額な身代金を支払わせろという無理を言う
犯人もエスカレート、別の人質をアッサリ殺害したり、ポールの家族に
まで危害を加える素振りをみせたりする。

当該別の人質。犯人が送信してきたビデオの映像。
一方、ポールの勤務先にも連絡がつくが、この会社がまたヒドくって、
とある理由で、君は誘拐される前に解雇されたことになるので、当社と
しては何の関与もしない…などと、冷酷非情極まりない通告をしてくる。
ブラック企業ですな、こうなると…。

タフな状況下で通告を受けてさらに呆然とするポール。
そこへさらに、近くで爆撃があったようで、箱の上部が割れて砂が容赦
なく入り込んできます。

この上(下?)まだ悪い状況があり得るのか…。
もう絶体絶命…と覚悟を決めるポールだったが、捜査官から連絡があり
箱を発見した、今開けるから…と、なるんですが……。なるんですけど、
その後のオチは何ですかね、アレは。いや、落としどころ、ストーリー
自体に文句を言うておる訳ではなくて、そういうエンディングにしたい
のなら、もうちょっと他に話の持っていきようがあったんではないか…
というのが愚感想なんですが、どうなんですかねえ…。
とにかく、せっかくここまで特に破綻もダレ場もなく進んできたのに、
このオチで台無しとまでは言わんけど、わたしゃガックシ来ましたわ。
それでも、緊張感はずっと保たれてたし、レイノルズ君の頑張りも拝見
出来たしで、総じてみれば割と良かったですね。
スペインの映画って殆ど馴染みないんですが、本作といい前にご紹介
した『
プリズン211』といい、当ブログではネタにしてないけど『REC』
といい、なかなかの作品があるようですな。