公開されたのは私が中学生か高校生かの頃でして、映画館に観に行き
2回続けて観たのを今でも覚えてますわ。現在なら入れ替えで追い出さ
れるんでしょうか。旧き善き時代だったのだなあ…。
解説
「『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のスティーブン・スピルバーグ監督
による、夏の海水浴場に突如現れた巨大な人喰いザメが人々を襲う大
ヒットパニックホラー。“ユニバーサル・シネマ・コレクション/オータム
ウェーブ”で登場」
あらすじ
「アメリカ東海岸に位置する海辺の田舎町・アミティの浜辺に、女性の
遺体が打ち上げられた。町の警察署長ブロディは死因を「サメによる襲撃」
と断定。ビーチを遊泳禁止にしようとするが、夏の観光で成り立つ町の
有力者はこれを拒否。対応の遅れから、少年が第2の犠牲者となる。
少年の両親がサメに賞金をかけたことで事態は公となり、アメリカ中から
賞金目当ての人々が押し寄せたアミティは大騒動となった。その対応に
追われる一方で、ブロディはサメの専門家である海洋学者フーパーを呼び
寄せ、協力を求める。フーパーは最初の遺体を検視し、非常に大型のサメ
による仕業と見抜く。
そのころ、イタチザメが捕らえられた。町中が事件は解決したと喜ぶ中、
フーパーはイタチザメの口のサイズが、遺体に残る噛み跡より小さいこと
から、別のサメである可能性を指摘。念のためにサメの消化器官の内容物
の確認を提案するが、市長は反対した。
納得できないブロディとフーパーはその夜、秘密裏にサメの腹を裂いたが、
人が食べられた痕跡は確認できなかった。フーパーの所有する調査船でサメ
の探索に出た2人は、アミティの漁師の船が漂流しているのを発見。調査の
ため海に潜ったフーパーは、船底に刺さっていた大きなホオジロザメの歯を
見つけるが、漂う漁師の遺体に驚いた拍子に紛失する。
翌朝、2人は市長に「犯人は巨大なホオジロザメであり、すぐに海を閉鎖する
必要がある」と申し出るが、利益を優先したい市長は、証拠となるサメの歯
がないことを理由にこれを拒否し、海開きを実施。その結果、観光客をサメ
が襲うという最悪の事態が発生する。
そこでブロディは地元の漁師クイントを雇いサメ退治を提案。ブロディ、
フーパー、クイントの3人は、サメ退治のため大海原へ乗り出す。しかし、
現れたホオジロザメのサイズは、彼らの予想をはるかに上回るものであった。
ブロディ達と巨大ザメとの激闘が始まる」
(Wikipedia)
内容につきましては、まさに今さらながら私ごときがグダグダ語る必要は
全くないでしょう。いわば近代的パニック映画の嚆矢にして金字塔であり
まして、「ジョーズの前にジョーズなし、ジョーズの後に似て非なるもの
多数」といった次第であります。しかし解説の「『キャッチ・ミー・イフ・
ユー・キャン』のスティーブン・スピルバーグ」ってのはどうなんです
かねえ、これは。『激突』で鮮烈なるデビューを飾った云々…とかなら、
分かるのですが…。
原作も読んだことあるんですが、映画では微妙に設定が異なってますね。
サメに食われてしまう人間や、フーパー絡みの人間関係など。そして映画
の方は、かなり娯楽色が強いものとなってるように感じました。
キャストについては絶妙のバランスと申せましょう。ブロディ署長(ロイ
・シャイダー)が極めて普通の人ならば、海洋学者フーパー(リチャード
・ドレイファス)は結構変わり者、サメ漁師クイント(ロバート・ショウ)
に至っては偏屈者、といった個性的というか背反的というかの面子で
反目し合ったりしながらサメ退治に乗り出す。

左から、ブロディ、フーパー、クイント。一応書いときます。しかしまあ
ロバート・ショウの登場時間は一番短い?ですけど、最も存在感は
あったように感じましたねえ。他者を食い過ぎる惧れがあるので、
出番を少なくしたのやも知れません。
そして主役のサメ

これは模型というか機械だったそうですが、なるほどコイツも独特の
重みや存在感がありますな。CGではない現実感というか。
で、サメに襲われるシーンももちろん迫力なんですけど、私としては
このシーンが強烈に印象に残っております。

サメをおびき寄せるために撒き餌してたらホンマにサメが寄ってきたとこ。
ブロディ、後ずさりしながら震え声で "You're gonna need a bigger boat"
(この船じゃ小さい)と。

いやあホンマこりゃ小さい、というかサメがデカイですわ。

私なら銃で脅してでも強引に引き揚げさせて bigger boat で出直しますな。
私が観たのは劇場版ではないディレクターズ・カットか何かだったんでしょ
かね、記憶してるのより色んな場面で長めに感じました。が、決してダレて
はおらず、全編にわたって緊張感を保っているのは、さすがというところで
ありましょう。
監督の手腕もさることながら、この緊張感の大いなる立役者となっていたと
感じるのは、ジョン・ウィリアムズによるテーマ曲でありますね。これまた今
さら私ごときが…的著名楽曲。不安をかき立てる執拗な半音階のリピート
によって、まさしく否応なしに不安な気持ちになる。こちらもさすが巨匠。
一応貼っつけときましょ。
そうそう、冒頭述べた通り初見は映画館だったんですが、ラストの爆発する
シーンでは観客の皆さん拍手喝采だった、ことを思い出しました。さすがに
総立ちでブラボー、ハラショー、ということはなかったけど、銀幕を通じて
映画館の皆とスピルバーグ監督が今ひとつになった、みたいな一体感が
ありましたねえ…。