解説
「スティーヴン・ソダーバーグ監督が放つ心理サスペンス。ニューヨーク
で働く精神科医・バンクスの下に、28歳の女性・エミリーが来院する。夫
がインサイダー取引の罪で収監されてうつ病を再発、自殺未遂を図った
彼女にバンクスは新薬を処方するが…。R15+」
あらすじ
「金融マンであった夫マーティン(チャニング・テイタム)が違法株取引で
逮捕されたのを機に、以前に患ったうつ病を再発させてしまったエミリー
(ルーニー・マーラ)は、交通事故や自殺未遂を引き起こすように。診察
にあたる精神科医バンクス(ジュード・ロウ)は、かつて彼女を診ていた
シーバート博士(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)に相談。エミリーが
抱える症状の詳細を聞き出し、彼女の了承も得て抗鬱剤の新薬アブリクサ
を投与する。症状が快方に向かっていたある日、マーティンがナイフで
刺されるという事件が起き……」
(シネマトゥディ)
お話しは上記あらすじの通り進むんですが、実は…ってここから先を
少しでも述べてしまうと一気にネタバレになってしまうので、やめて
おかざるを得ません。う~ん、ネタを知ってしまったとしても十分に
楽しめるとは思うんですが、やっぱり自粛しておきましょう。
キャストとしてはジュード・ロウが主役という位置付けでしょうけど、
一番強い印象残したのはルーニー・マーラですね。他者を食ってると
いう激しさはないのだけれど、異様に存在感があるというか、いつの
間にか観る者の脳裏に刻み込まれてるというか、洗脳タイプですかね。

前にご紹介した、『
ドラゴン・タトゥーの女』でも、ダニエル・クレイグ
より印象に残りましたし。しかし、彼女もドラゴンといい本作といい、
一風も二風も変わった役柄やってますなあ。ハマってるし。わたしゃ
この2作しか知らんのですが、このままキャリア積んだら普通の役の
オファーが来なくなるんではないかとすら思えましたわ。
もちろん、ジュード君も上手いというか、さすがです。この人って実に
多彩な役柄をこなす俳優だと思いましたねえ、改めて。

本作でも、前半の自信に満ちた精神科医から一転、投与した新薬の
せいで医師としてピンチに陥る辺り、それを何とか打破しようと策を
練って…と、様々なところを変幻自在にやってられます。まあ、ちと
ルーニーさんの異様な存在感の前では一歩譲るかな…ってな感じ
でしたがね。わざと譲ったんか…?
あと、キャサリン・ゼタ=ジョーンズがルーニーの以前の主治医という
役で出てまして、やっぱ相応の存在感をしめしておられました。

いかにも女医って感じ?が、実はこの人がですなあ…って、ああこの
点も一歩踏み込むと、一気にネタバレのクチなんで触れ得ません。
が、この映画では非常に重要な役割です。
結局、最も素直というか見た通りの役だったのはチャニング・テイタム
でしたかね。

今回はこの人が得意とするっぽいアクションとかなかったのもあって、
やっぱ大人し目に見えた。
とまあ、極めて中途半端というか、モヤモヤしたレビューになりまして
スミマセン。感想文ということでお取り計らいお願います。感想文にも
なってへんか…。
とにかく、一筋縄ではいかんサスペンスでして、ドンデン返しのお手本
みたいな感じ、それもごく自然な流れで展開してくれまして、グイグイ
引き込まれます。基となる脚本なんかもしっかりしてるんでしょうし、
そしてやはりソダーバーグさんのまとめ方も、さすがというところなん
でしょうねえ。作品そのものもキャストも深く印象に残る映画でした。