解説
「地球滅亡の危機に直面した人類の奮闘を描いたSFパニック。小惑星の
接近が確認され、このままでは衝突により地球は壊滅する。この危機を
回避するため、人類は核爆発によって地球を移動させるという驚天動地
の作戦に出る」
あらすじ
「その日、地球に接近する小惑星が確認された。大きさは月の4分の1。
衝突まで、残された時間はわずか10日間。ロシアは迎撃ミサイルを発射
するが、作戦は失敗。飛来した巨大隕石により、香港が壊滅してしまう。
人類を絶滅から救うため、アメリカが賭けた最後の作戦。それは深海で
核爆発を起こし、誘発した巨大地震のエネルギーで地球を動かし、衝突
軌道から逸らすというものだった。人類の運命を背負い、潜水艦ポーク
号はフィリピン沖のヤップ海溝を目指すが…」
(アルバトロス・フィルム)
で、今回は宇宙のどっかから、小惑星が地球目掛けてやってくるという
お話し。上記あらすじでは小惑星の大きさは月の4分の1となってますが
作中では直径320km言うてましたな。合ってるんかね…。
何でも古代に直径10kmのブツが地球に衝突してその影響で恐竜が絶滅
したんだとか。10kmでそれやったら、320kmなんてどないなんねん…と
いうことで、何とか回避すべく米国を中心に策を講じるという流れです。
対策としてごく普通に考えられるのが、小惑星にミサイルを撃ち込んで
破壊してしまおうというパターン。本作でも取り敢えずそれを試そうと
いうことになる。惑星発見者の天文台アルバイトみたいなヤツ(アジア
系。異様に優秀)は、核撃ち込んでも効果ないで、と言うんですが他に
手もないので撃ってみたところ、案の定効果はなし。それどころか惑星
が部分的に欠けてしまって、その破片が香港を直撃、大惨事を招く。
前にネタにした『
バトルシップ』という、異星生命体から攻撃を受ける
映画でも、真っ先に香港がやられてましたが、アメリカの映画関係者は
ご当地に何かモヤモヤした感情でもお持ちなんでしょか…。

バイト君
これはイカンということで、何か他にないかと皆で考えてるうちに、件の
バイト君がキテレツなことを思い付く。惑星を破壊できないのなら、地球
の位置をズラせばいいんではないかと。その方法として、深い海溝で
超強力な核を爆発させ、
マグニチュード18の地震を起こせばよいのだ
というんですな。おそらく、地球上の人間の半分ほどが犠牲になるだろう
けど、惑星が衝突したら全滅するんだから、それよりはマシやろと…。
まさにキテレツにして実に大胆な作戦であるんですが、さらに大胆なの
は、
人類の半分を犠牲にしようっていうのに、その決定を米国の
海軍の独りの将軍がアッサリ行ってるところですな。しかも、別に
大統領とか然るべき筋に相談するでもなく即決。いや全く大胆ですわ。

ロバート・デヴィという人。『SG-1 アトランティス』というTVドラマで
実にしぶとい悪役をやってたのが強く印象に残ってます。
さて、この作戦の実行部隊は別にいまして、潜水艦で深い海溝まで潜り
そこで核をぶっ放そうという段取り。この任務を担うのが海軍の大佐か
中佐か忘れたが副艦長と、海洋学者(っぽい)女性。この女性が役割と
してはヒロインなんですが、それがまたオバサン一歩手前のおねーさん
である…という点は、まあエエとしても、副艦長が偶然飲み屋でナンパ
したら、そういう重要人物であったという極めてご都合よろしい流れ。
極めてB級ちっくな展開で、いやさすがアルバトロスじゃわいと
呆れ感心しましたね。

副艦長とおばねーさん
もちろん、作戦遂行の途中で色んなハプニングが起こってピンチに陥る
ところも多くてパニック映画の王道を突き進むんですが、どれもこれも
今ひとつ観てる側に緊迫感が伝わってこないというB級路線も同時に
突き進んでおりまして、またまた感心させられた次第です。
最終的にミッションが上手く行くのかどうかについては、ご興味ある方
は実際にご覧になっていただきましょう。まあ、当然のように、どうせ
来年も『アルマゲドン2015』なんてのを作るんでしょうし、滅亡の危機
にさらされる地球という舞台がなくなったら困る訳でしてそこから推し
て知るべしということで…。
後半えらく端折りましたが、それでも本作のレビュー・感想として特に
問題はないかと思います。概ね思った通りの議事進行の映画ですけど、
時々ヒネったところがあったり、前述の天文台バイト君や女性学者とか
ちょっとキャラの立ったキャストもいたりして、私としては結構楽しめ
ました。