まずはこの邦題ですが、さすがはアルバトロス、見事な便乗ぶりで
あります。否が応でも『エクスペンダブルズ』のレイディース版かと
思いますがな。原題は "Mercenaries" で、そのものズバリの傭兵
たちという意味。まあ、消耗品といえばそうかも知れんが…。
解説
「クリスタナ・ローケンほかアクション女優が多数出演するアクション。
カザフスタンを訪問中のアメリカ大統領の娘がテロ組織に拉致される。
娘の救出を命じられたCIAのモナは刑務所の女囚から屈強なメンバーを
選び出し、この危険なミッションに挑むが…」
あらすじ
「カザフスタンを訪問中のアメリカ大統領の娘が、テロ組織に拉致された。
凶暴な男たちを従える女ボスのウルリーカは、自らが母国の指導者となる
為の支援をアメリカに要求する。回答までの猶予は48時間、従わなければ
娘の命は無い。「女には女を」「毒には毒を」。娘の救出を命じられたCIA
のモナは、この危険な任務に挑むメンバーを刑務所の女囚たちから選び出す。
集められたのは、いずれも重犯罪で服役していた屈強の女ばかり。成功報酬
は、大統領の恩赦による無罪放免。装備を手に入れたチームは、ウルリーカ
が牙城を構える旧ソ連の刑務所跡を目指すが…」
(アルバトロスフィルム)
こうした、いかにもといったプロット、ストーリーのアルバ作品という
ことで当然B級、かつ、多分ダル目だろうという覚悟して臨んだ次第
なんですが、あにはからんや、冒頭~前半は結構上手い作りで設定
や登場人物のバックボーン等も分かりやすく鑑賞者に知らせてくれる
など、これは意外に掘り出し物か…と姿勢を正しました。

流れも自然でして、ややもすると本家エクスペより、掴みとしては
グッドかも知れぬと感じましたな。
集められたのは、爆発物の専門家、A級スナイバー、接近戦のプロ、
元軍人という4名。

それぞれに有名なのかもですが、私が見覚えあったのはスナイパー
のキャット役をやってたクリスタナ・ローケンぐらいです。

『ターミネーター3』の女性ターミネーター。
で、あらすじ通り現場に向かい、敵をブチのめしながら令嬢を救出
という、実にストレートな展開となるんですが、随所にちょっとずつ
ヒネリが加えられており、ほほお…と感心しました。アルバなのに。

現地に向かう途中で地元民とトラブルになって銃撃戦やってみたり、
クルマがオシャカになってミサイル運搬車を横取りしてみたり、敵の
ボスってのが男装の女性であったり(宝塚男役風)、救出メンバーの
一人が裏切って敵になったり、などなど。
もちろん、アルバさんのことですから、綿密に練り込んで作られてる
なんて興ざめなことはなく、話が矛盾するかもですが、随所で設定
が破綻してたり、進行に無理があったりします。ま、こういったお気楽
作品ですし、やっぱこうして肩の力抜かせていただかんとね…。
あと、セットがショボかったり、終盤~ラストも投げやり感が漂って
たりなどもあるけど、これらも味のうちでしょう。個人的には根本的
な問題点(というと非常に失礼なのだが…)と感じたのは、キャスト
のショボさですな。ショボさというか、ちょっとトウが立ち過ぎてる
んとちゃいますかね、と。

迫力はあったが…。
いや、各位それなりに名の通った方々でしょうけど、やっぱこうして
レディース部隊をテーマにした映画だというなら、ローケン選手が
最年長ぐらいでないと…。現状では『エクスペンダブル・
元レディズ』
といった仕様になっとるんではなかろうかと愚考いたしましたです。
重ねて失礼言うとります。ファンの方おられたらスイマセン…。
総じて言えば、そこそこのB級ムービーに仕上がってるかと思います。
手に汗握り締めて疲れる…なんてことはありません。日曜の気だるい
午後にダラ~っと観るのに適した、リラクゼーション映画だとも表現
できますでしょうか…。