ということで、お待たせしました、紛れもないB級作でございます。
メガ・シャークは拙ブログで過去にネタにしてまして、ご興味ある
奇特な方はご覧くださいませ。
メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス
メガ・シャークVSクロコザウルス 
本作は第3弾になるんですな。よう続いてるわ…。
解説「ヒット映画の模倣B級作品ばかりを手掛ける製作スタジオ、アサイラム
社が放つ海洋パニックのシリーズ第3弾。永久氷壁から出現して世界を恐怖
に陥れる超巨大サメのメガ・シャークと、サメ型兵器メカ・シャークを繰り
出す人類の攻防を活写していく。監督は、テレビシリーズを中心にビジュアル
エフェクトの分野で活躍してきたエミール・エドウィン・スミス。
『アメリカン・ハッスル』などのエリザベス・ロームら実力派たちが出演。
荒唐無稽(むけい)な展開にぼうぜんとしながら、手に汗握る独特の味わい
を堪能できる」
あらすじ「巨大な氷山を運んでいる貨物船が、エジプトのアレクサンドリア港に到着。
すると氷山がヒビが生じ、その中から巨大ワニのクロコザウルスと戦って命
を落としたものと思われていた、巨大サメのメガ・シャークが飛び出す。
世界各地で暴れ回っては、人々に混乱と恐怖をもたらすメガ・シャーク。
事態を重く見た国連は、世界の全海域を閉鎖して、試運転も行っていない
サメ型巨大兵器メカ・シャークを出動させる。圧倒的破壊力を誇るUGM-133弾
道魚雷を装備したメカシャークは、メガシャークを倒すべく深海を突き進む」
(シネマトゥデイ)
「ヒット映画の模倣B級作品ばかりを手掛ける製作スタジオ」と解説
にありますアサイラム社とやら、えらい言われようですな…と思って
ましたが、実際その通りでしたわ。
過去幾つかの映画で言及しましたが、本作もアイデアはなかなかに
秀逸でありながら、それを活かしきれていない好例と申せましょう。
話の流れはあらすじの通り…というか、巨大サメが現れたらそれを
やっつけるしかないわけでして、まあそこに何かサブストーリーを
ちょろっと付ける程度ですわな、この手の映画というのは。なので
観る側としては、アホらしいほど派手な絵(戦艦丸呑みとか)や、
生物としてあり得ないサメの活躍(体内で核が爆発しても平気とか)、
胡散臭い博士の解説(ハリウッドお得意の遺伝子操作とか)、など
を期待するところなんですが、どうもそれがねえ…。
シーンのどれもこれもが、小ぢんまりしとるというか常識の範囲内
というか、極めてショボイんですなあ。潜水艦が何故かことごとく
サメの形だというのはなかなかのポイントなんですが、その必然性
や普通潜水艦に比べての優位性、メガシャークに対する攻撃能力が
いかにスゴイかといった辺りも説明ないし。

メカは陸上もOK。小型潜水艇まできっちりサメ型。
んでまた、狭い艦内でゴソゴソやる場面も多くて、チマチマしとる
印象強いんですわ。もうそんなんエエからド~ンと行ったらんかい
と、私が製作に噛んでたら申し述べますよ監督に。
あと、メガシャークに襲われた地の人々も逃げとんのか、わざわざ
食われに行っとるんかわからんような行動で、特に親とはぐれた女
の子が軍に保護されてるのに勝手にどっか行ったりして皆を危険な
目に遭わせる云々といったシーンが無意味に長かったりして、結構
イラッと来ましたよ観てて。

まあ、こうした作りの雑さこそB級の醍醐味ではないかというお話し
もあるんでしょうけど、まずは、破天荒な映像や展開で度肝抜いて
いただかんとね。CG丸分かりのチープな絵でええんですわ。
さてキャスト、SFファンの方ならご存知でしょか『スターゲイト SG-1』
というTVドラマの、異星人ティルクでお馴染みのクリストファー・
ジャッジが出てましたな。彼は他にも『アンドロメダ』というドラマ
でも人工知能の役やったりしてまして、普通の人間役をやってると
いうのはわたしゃ初めて見ましたわ。

左:本作、 中:SG-1、 右:アンドロ
で、まあよしみの間柄なんで好意的に見てた積もりなんですが、
これがまたねえ…。スベってるんですわ、見事に。ところどころ
軽妙さを入れたキャラに仕立てたりしてるですけどあきまへん…。
やっぱ彼に普通の人間の役やらせたらあかんですわ。これまた、
せっかくの素材が活かされていない好例と申せましょうか。やはり
この映画でジャッジ先生を使うんなら、
サメと対決するサイボーグ
とかそういう荒唐無稽なキャスティングでしょう。
あ、そういや思い出したけど、過去にも触れましたTVドラマ俳優
はB級映画に出演することが多い案件、本作でも該当してますな。
やはりそういう縛りがあるんでしょう。
過去事例メガスネーク 【映画】 = 眼鏡蛇ではない
女子高生vs狼男 【映画】 = B級縛り
スティーヴ・オースティン S.W.A.T. 【映画】 = SG-1ファミリー集結 
てな次第で、かなり期待したところの本作、見事にバッチリ外して
くれましたな。もうこうなったら、次々に作っていただくしかない
でしょう。数打ちゃそのうちアタリも出てきますわ…。