
制作=1958年・日本 86分
東宝の変身人間シリーズ第一弾。実によく出来た映画です。
放射性物質を浴びた影響で体が液体化(というかジェル化)しつつも、
意思を残し持つ液体人間という新たな生命体になるSFの要素が前面に
押し出されてますが、それと刑事ドラマとの絡め具合が実に絶妙。
中盤出てくる、最初に液体人間が現れたところのエピソード場面も
ごく自然に挿入されてて、まるで小説を読んでいるかのようでした。
かつ、キャバレーのシーンでは大胆な衣装に身を包んだショウガールの
ダンスなども楽しむことが出来るということで、エンターテインメント性も
高いです。
そもそも、このタイトルが秀逸ですわ。否が応でもおどろおどろしいもの
を想像してしまう。ジャケ写真もなかなかかグッド。
もちろん、昨今の映画と比べればスピード感とか映像なんかは比べ物になりません。
けど、セリフの間合いとか時代がかった言い回しとか、この映画独特のテンポ感
みたいなのがあって好きです。
円谷さん参加の特撮も結構イイ感じ。CGなど当然ない時代に、あの液体人間が
移動するとこなんかどーやって撮ったんかなあ・・・。
液体人間の撃退方法は結構過激。いや、ホンマにそんなん街中でやらんでしょうって
気がするのだが、住民を避難させて敢行してしまう点なんぞ、まだ大らかな時代
だったんでしょうなあ。
まあ、ジャンル的にいえばキワモノ路線かも知れませんが、今から半世紀以上も前に
こんなレベルの高い映画作ってたなんて感心しましたわ。
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