
製作=2007年・米国 106分
作品解説は「『ソウ』シリーズの生みの親、ジェームズ・ワンが監督を務めた
サスペンスアクション。息子を目の前でギャングに殺された普通の男ニック。
心の傷癒えぬまま裁判を迎えるが、判決結果は非情で…。主演は実力派
俳優・ケビン・ベーコン。R15+作品。」というもの。
一言でいうと救いのない復讐劇です。証拠が不十分なので司法取引しない
と犯人のギャングが十分な罰を受けずに済む、という理不尽な判決が出され、
ならば自分で敵討ちを…というお話しなんですが、復讐した結果、残された
家族がさらに…という展開で、いやもう観ててホンマにやり切れませんよ。
映画はあくまで映画であって現実ではないと割り切っているつもりの私なの
ですが、子供とかが目の前で殺されてしまうこういう話なんかは、所帯持ち
の身としては、観てていたたたまれない気にさせられるとこあります。それ
ってやはり、ケビン・ベーコンの上手さに魅せられたということでしょうか。
さすがであります。
事件発生後、家庭的なエリート会社員から一転、やっちまった復讐をまさに
やってしまい、ギャング団との抗争、復讐の鬼、と段々と反社会的な人物に
なっていく様を柔軟に演じておられます。目の前で息子が殺されてるのに、
検察にいきなり司法取引とか言われたら、ちょっとそりゃないでしょ…って
気になりますわな。
取扱説明書見ながら銃の用意するとこや、特に、自分でバリカンで頭を丸
めて後頭部だけ不恰好に髪が残ってる、変なパンクみたいなヘアスタイル
になった辺り、現実味を上手く醸し出してたと思います。

アタマを丸めてるところ。冒頭ジャケット写真が完成図。
アクションや銃撃戦も結構あるのだが、決してスーパー・ヒーローちっくに
派手・流麗な動きではなく、あくまで一般市民が頑張ってます的な不器用
なところがまた現実味を上手く出してたと思いますわ。
最初の仲良し家族ムービーみたいなのがちょっと長い気もしたが、徐々に
盛り上がる進行で、そんなのもいつの間にか忘れてしまってます。R15+
ってのはバイオレンスシーンに対するものですかね。その点含めて、全体
的に暗い重い映画ながら見応えは十分あるかと思います。あ、前にご紹介
した『
完全なる報復』にちょっと似てるとこあるかな。
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