
制作=2009年・スペイン 110分
「『スペインのアカデミー賞』と呼ばれるゴヤ賞で主要8部門を受賞したサスペンス
アクション。刑務所の新任職員・フアンは、突如勃発した囚人たちの暴動に巻き
込まれてしまう。咄嗟の判断で囚人を装った彼は、凶悪犯に囲まれながら脱出の
機会を狙うが…」という作品解説。
ほぼ刑務所内だけという舞台ながら、最後まで飽きさせずに観せてくれました。
看守が囚人に扮して周りをごまかしつつ、何とか外部と連絡を取って脱出を図ろう
とするわけですが、何しろ看守ですからね、もしバレたら確実に命取り。実際、
何人もの看守が、囚人たちにボコボコにぶちのめされてます。フアンも幾度も
怪しまれたり、バレそうになったりして、観てるこちらがヒヤヒヤしますわ。
しかし、主人公のフアン、明らかに周りの凶悪犯とは異なる人相風体雰囲気で、
いくら面が割れてないとはいえ、隠し通せるものなのか…。

<左:フアン、 右:囚人の皆さん。スキンヘッド&ヒゲが牢名主的リーダー>
コワイですよー。こういう方々に囲まれるだけでも十分ビビるのに、彼らを騙し
抜かなくてはならんという。
が、そこは言葉巧みにリーダーに上手く取り入り、結構気に入られたりする。

しかし、根深くフアンを疑う者もいて、囚人同士で摩擦が起きたり…などなど、
全般的に緊張感がずっと保たれており、スリリングなムード満点なのですわ。
随所に挿入されるフアンの回想シーンが、現実と区別つかなくて戸惑ったりも
したが、これは慣れの問題か。あと、ETA…って到着予定時刻ではなくて、
そういう名称のテロ組織の大物だかなんだかが、同じ囚人でありながら人質に
なり得るというのも、かなり違和感があったけど、この辺はバスク地方が絡んだ
お国事情が分からんので何ともいえないところですかね…。
決して後味のいいラストではないし、出てくるのもむさくるしいオッサンが大勢を
占める、どちらかというと地味な作品ですが、スピーディに進む展開や鋭くキレの
いいカメラワークもあって、実にソリッドな印象です。よく出来た映画だと思います。
しかし、DVDジャケ写真見たら、暴動リーダーが主役かと思ってしまいますなあ…。
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