
制作=2012年・仏 93分
前に『
96時間』の方をご紹介しましたが、今回はその続編になります。
主演は引き続きスーパー強いおとーさん役でリーアム・ニーソン。
1作目は欧州旅行に行った娘が人身売買組織に誘拐されて、元特殊
部隊か何かの父親が現地に乗り込んで行って、犯人グループをぶち
のめして娘を取り返す、といったお話しでした。
で、本作、リベンジって誰が誰に何を復讐するのか?と思ってたん
ですが、前作主犯の父親が息子を殺されたのでリベンジするという
んですな。
いや、あの、それって逆恨みではないんですかね…と思ってましたら、
作中でもニーソンが同様のことを言うとりました。が、相手は「理由など
知るか!(怒)」ということでして、もうこうなると話もナニも通じないわけ
ですわ。かなわんなー…というか、結局親子ともども誘拐団なのね…。

道理が通じない誘拐団親父
さて、作品解説は「リュック・ベッソン製作・脚本、リーアム・ニーソン主演
で贈るアクションサスペンス第2弾。誘拐された元妻と敵に追われる娘を
同時救出するため、元CIA秘密工作員の父親が奮闘する姿を描く。監督
は『コロンビアーナ』のオリヴィエ・メガトン」となってます。
前作では娘が誘拐されたんですが、今回はトルコで休暇中であった一家
3名丸ごと狙われます。一家といっても夫妻は離婚してて、元妻は別の
ヤツと再婚してるんですが、諸般の事情で一緒にトルコにいる。諸般の
事情は別に面白くもないので省略。

父(ブライアン)、母(元妻・レニー)、娘(キム)
辛うじて娘のキムは難を逃れるものの父母は捕らえられて監禁。ブライアン
への報復のため、目の前でレニーを失血で徐々に死に至らしめるという精神
的拷問を…。

捕らえられたブライアン
キムのヘルプで何とかブライアンは逃げ出すものの、レニーが別の場所に
連れ去られる。それを追っかける道中で、またまた悪党どもを容赦なくブチ
のめしていく…と、前作をなぞったような展開ですわ。う~ん、同じである
のはイイんですが、どーも1作目より小ぢんまりしてしまったような印象が
ありましたなあ、メガトンという名の監督の作品であるにも係わらず。
ブライアンが目隠しされてクルマで拉致される際に、秒数カウントして右折
・左折など記憶しといて、キムに手榴弾を爆発させてその音の伝わり方で
自分の監禁場所を正確に割り出したり、入り組んだ狭い路地でのカーチェイス
等々、すごいスキルを見せる凝ったシーンやスピーディなところも多かったの
だが、なーんかスケール感がないように感じたんですなあ。1作目よりさらに
ハードで派手なものを、無意識に求めてしまってるのですかね…。

誘拐団のクルマが列車に衝突したところ
一方、ブライアンが悪党たちと肉弾戦でバトる場面については、なかなか
カッコ良かったですわ。リーアム・ニーソンって結構なお年のはずなんだが、
その割にはキレがあるというか何というか。『エクスペンダブルズ』の一員
に加わってもおかしくないないね。

頑張ってます。
反面、家族と過ごす時などはごく普通の父親

めっちゃ普通やん。
まあしかし、1・2作目通じてですけど、ワルどもといえどもあまりにも殺し
過ぎって感じはありますかね。数でいえばもっといってる映画もあるけど、
本作の場合は絵的にソリッドなのもあって、寒々しい殺伐とした雰囲気
なんですな。ニーソンが沈着冷静な表情で淡々とやっつけていく、って
いうのもそう感じさせる一因なのかも知れません。
あと、前作でも感じたが、アルバニアの人身売買組織って、まさに極めて
組織的に運営されてまして、獲物に目を付ける担当者、ナンパ担当の
イケメン、略取実行犯の荒くれ者等々、見事な指揮命令系統に基づき
粛々と婦女子をさらっておるんですな。ホンマにこういうのあるのでは…
と思わせるほど自然体で。いや、実際当地って結構治安悪いらしいが。
けど、この映画とか観てたら東欧なんてコワくて行けなくなるよなあ…と
感じましたわ。『ホステル』とか『テラー・トレイン』とかでも同様に思い
ましたが。ご当地からクレームとか出んのかしらん…。
てな次第で、1作目みたいな衝撃は薄まってるものの、アクション映画と
しては結構な出来栄えだと思います。ちょっとバイオレンス過多のところ
ありなので、キッズなどには不向きでしょうかね。わざわざ見せんか…。
- 関連記事
-