
制作=2003年・米国 86分
作品解説は「『キル・ビル』のダリル・ハンナがセクシーでクールな殺し屋を
演じるハードアクション。家族も友達もなく無機質な生活を送っていた女殺し
屋が、自らの妊娠に気付いたことから良心の呵責に直面する。ブラッド・レン
フロ、ドミニク・スウェインが共演」です。
何で
無機質な生活を送ってるにも関わらず妊娠するのか?という点が、
非常に引っ掛かる訳でして、まず無機質の定義からキチンと論じるべきなの
ですが、まあそれはまた別の機会に譲るとして…。
って、無機質といいながら、実際には夜な夜なパートナーを取っかえひっかえ
有機質(?)に過ごされてましたけどね。そりゃ身ごもりもするわさ…。

パートナーの一人、エリック・メビウス。当初は単なる One of the お相手に
過ぎなかったのだが…。 この人って『バイオ・ハザード』でウィルスに感染
したか何かで怪物になってましたかね、確か。
さて、自分が妊娠したことで心境の変化があって、アサシンを引退しようと
するんですが、ボスはそう簡単に足抜けさせてくれない。一応最後の仕事と
いうことで、金に困って麻薬を強奪して逃走したバカップルを始末してブツ
を奪回することを請け負います。

左:引退表明を聞いて怒るボス、 右:標的のバカップル
けど、カップルの女が己と同様に妊娠してることを知ると、どうしても殺す
ことが出来ないんですな。が、ですなあ、ここら辺りの殺しを躊躇うように
なる心境・葛藤のようなものの描写が、もひとつグッと迫ってこないんです
よねえ。この作品のキモになる部分だろうから、もっと丁寧に掘り下げる
とかしてもらいたかったわあ。

揉めるバカ2名
ところで、この逃走するバカップル女、ワーワーキャーキャーずーっと文句
言うとるし、身勝手な言動ばっかりだし、挙句の果てにパートナーを…と
実にひどいキャラに仕立てられてまして、全く感情移入出来んというか、
もういっそやられておしまいなさい…って思ってしまいましたな。

ま、それだけ上手かったということでしょう。素のままやったらイヤやな…。
あとねえ、主役のダリルさん、セクシーでクールな殺し屋ってことなんです
けど、これがねえ…。クールではあったが、もうひとつの形容については、
正直う~ん…ってとこですかなあ。

テーマが無機質ということでワザとなんでしょうかね、何か乾ききって
カサカサのイメージでした。
しかし、解説の「『キル・ビル』のダリル・ハンナ」って、作られたのはこちら
が先ではないのか…。ま、この人紹介するのに『スプラッシュ』では古過ぎ
だろうし、キルビルでのご活躍が鮮烈でしたからねえ。
本作も映画としては、ちょい地味な感じだし、エンディングも今ひとつ納得
感がないんですけど、妙に印象が残る作品ではありますな。殺伐とした
雰囲気はよく出てたと思います。
- 関連記事
-
http://www.youtube.com/watch?v=uMIsXdoj2vU